メディアミックス・「白水銀行・藤間社長へ」

今朝「下町ロケット」ガウディ編を読む為、朝日新聞を早速購入した。

するとドラマについて読者からのこんな意見が。

ドラマはその時代の世相を映す。答えの出ない問題を投げかけ、視聴者がそれを受けて考える。そうして世の中をよくしてきたし、これからもそうであってほしい(46歳男性)。

昔、私は脚本家の北川悦吏子氏の講演を聞きに行った時のことを思い出しました。恋愛ドラマを主に書く彼女は、ポケベルが流行りだした際は裕木奈江さん主演の「ポケベルが鳴らなくて」のドラマがヒットしたけど、携帯が連絡ツールとして世に出回ると、「すれ違い」を恋愛ドラマの醍醐味とする恋愛ドラマが非常に書きづらくなった、、、無理やりエレベーターに恋する主人公を閉じ込め、彼と逢えないようにするしかなかった、と仰っていました。なるほど、今期フジの恋愛ドラマは苦戦しているようだけど、そういう社会的背景もドラマには反映しているのかもね。

 

では、「下町ロケット」はどうだろう?社会的な事象に絡めて、考えてみたいと思います。

例えば・・・。第一話で佃航平は、社内の若手の反対に遭い、資金難も押してきたのでついに「夢」である「バルブシステム」へのこだわりを捨て、研究開発費にこれ以上お金を割かないことを決意。白水銀行に最後の融資を頼みに出かけます。ところが、融資の柳井に「今期は御社に融資はしません!」と断言されてしまう。もう絶体絶命で、ついにナカシマ工業の傘下に入ることを余儀なくされ、涙にくれる佃社長。

この場面を見て、ふと思う。佃製作所のような、小さくとも優良企業の実力を正しく評価せず、切り捨てる白水銀行は11月4日に郵政3社(日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命)が株式上場したけど、こういう世の中の動きにどう対処するのかな、と・・・。

白水銀行は都銀の設定ですか?地銀ではないような気がしますね。場所からして・・。

郵政3社は規模的にはとても大きい。郵便局は全国に2万4千店あるそうです。となると、仮に白水銀行は地方には支店をどのくらい持っているのか?今回の 郵政3社の上場は民間銀行を圧迫するだの、いや、よく見ると赤字の日本郵政もあるんだから圧迫まではしないだろう、とかいろいろ言われていますね。ただでさえ、地方銀行は生き残りを掛けて業界再編成を始めて随分たちます。しかも銀行だけでなく、信用金庫同士の合併もあり、白水銀行はこういう事態にどう対処していくのか?

 

目先の利益だけを見て、佃製作所を傘下に収めて大きくなったナカシマ工業と取引できればウハウハだ、と鷹をくくっていると、皆さんご存知のように、ナカシマ工業は佃に逆訴訟で負けて、逆に50億の賠償金を支払う運命がこの後待ち受けているのだから、まずいのではないか?ここはむげにせず、佃社長に融資をすればよかったのにね~!っと、架空の白水銀行に意見したくなったりして~~。

 

他にも原作を読むと帝国重工の(杉良太郎氏演じる)藤間社長は経団連会長を目論む野心家、とあるので、この際 藤間社長に私は聞きたいことがあります。

10月31日朝日新聞記事に「文系生き残りへ地域密着」という記事で、「大学の教員養成系、人文社会科系学部は廃止縮小して、もっと実践的な学科(農業分野を学ぶ学科とか)を増やしますよ。これについて日本学術会議は反対していて、「今回の措置は産業界の意向を受けたのでは?と経団連が疑われている」っていう記事があるんですね。

 

元々海外では直接実社会に関係がない人文・文学系の学部も長い目でみて社会には絶対的に必要だ、ととても大事にしているのに対し、日本では実務重視で、人文・文学系学科に軽視が見られる、という意見があることは本で読んで知ってましたが、この記事に対して藤間社長だったらどのようにお考えなのだろうか?とかですね(笑)やっぱりTPPに備えて農業系実務学科を新設するのに賛成ですか?とかね(笑)

 

今の日本で問題になっている事柄を、ドラマの中の登場人物たちだったらどう対処するのかな、とか考えながらドラマを見るのも 案外ドラマを楽しむ一つの手段だったりするのかな、と思ったりしました。

 

今日はおとぼけ、なしです。(笑)

では、また。