下町ロケット⑥吉川晃司語録「朱に交わったら、黒くなれ」

下町ロケット」をご覧の方で、吉川晃司さんをあまりご存知ない方もいらっしゃると思います。そんな方にちょっとご紹介させてください!実は吉川アニキは博学なことから数々の「吉川語録」を生み出しているんです!それは2014年2月1日(デビューの日)の朝日新聞さんに大きく掲載されまして、「反発の30年」ということで30個あるんですけど、

その一つが、

20、朱に交わったら、黒くなれ

この語録を「下町ロケット」を見るにつけ、私、ふうむ ふうむ と思い出しました。

 

まずは第一回放送で(すいません、まだそんな回の話で・・・早く追いつけ!私!)

ドラマの最初に回想シーンがあります。佃耕平がかつて宇宙科学開発機構でロケットの打ち上げに失敗した責任を取って、退職を促されるシーン・・・。

 

吉川晃司さんは「ライブで嫌な上司とか部下とかの日頃のストレスを発散していってください」と言ってますけど、本当に会社には色々な上司がいて、佃耕平の上司(大場)も、あのロケット打ち上げの失敗の責任を取るどころか、こともあろうことか部下の佃に責任を押し付けていました。(酷すぎる・・・)

責任の擦り付け合い!

原作ではこの行(くだり)をこのように書いています。

「人間の本性が現れるのは、平時ではなく、追い詰められた時である。

検証という名の責任の擦り付けあいで、それまで佃が抱いてきた人間関係の構図はもろくも崩壊し、協力し合ってきた仲間たちは、お互いの本性をむき出しにして相手を批判し、自らの正当性を主張し合った。

いったん保身に走った人間が、いかに頑なで自分勝手か、佃はそのとき痛いほど目の当たりにしたのである」

 

なるほど。何だかよく見る風景のように思いますね。

 

・・と、まあ、ここまででは「え?それと朱に交わったら、黒くなれと何が繋がるの?」とお思いでしょう?責任の擦り付けあい、というのは このプロローグだけでなく、「下町ロケット」に随所に出てくるんですよね。

 

京浜マシナリーによる取引停止と更なるナカシマ工業の訴訟によって 絶対的に資金が必要な佃製作所は まずメインバンクの白水銀行に助けを求めます。ところが皆さんご存知のように、東国原氏演じる根木支店長と春風亭昇太氏演じる柳井融資担当課長はその申し出をあっさりと切り捨てようとします。

それだけでなく、銀行には殿村曰く「会社の危機は主力銀行が救済するものという不文律があるんです。うちの場合、それは白水銀行ですが、その白水が融資を拒絶したとなると他行で融資を引き出すのは難しいと思います」

 

その言葉通り、あらゆる他の銀行、信金が右へ倣えで 佃製作所にそっぽを向くのです。

保身、である。

原作ではそう書いてあるとおり、本当に佃たちは必死で資金調達に駆けずり回りますが、どこも「右へ倣え」で貸してくれない。

 

さて宇宙飛行士の毛利衛さんはかつて東南アジアを周り、羽田についた時のことをこう、記しています。

「日本でびっくりしたのは日本人はみんな髪が黒く、同じ服装をしている。日本ってこんな国だったのか、と見方が変わった」

 

吉川アニキも著書で「日本人は皆、従順過ぎる」と言っていますけど、日本人は良くも悪くも一律で、皆と一緒がよく、従順です。それが悪い方へ向くと「朱に交われば赤くなる」のように、あの銀行が貸さないなら、うちも貸さない、となり・・・。

事故が起きたら責任の擦り付けあい、となり・・・。

 

だからこそ、「朱に交わったら、黒くなれ」という吉川アニキ語録を思い出した私なのでした。

 

下町ロケット」と吉川アニキの言葉って、結構繋がってることが多いんだな~、、と思う今日このごろ。

では、また