下町ロケット⑮第4話「俺たちの給与を上げろ!」

フランスで昨日、イスラム国ISによるテロがあり多くの方が犠牲になりました。

本当に恐ろしい。フランス国民の間では、シリア空爆に参加することに対しもちろん賛否両論あったと思いますが、こうなると負の連鎖の恐ろしさに身が凍る思いがします。

一国の行いは、内部で賛否両論あろうとも、その一国の態度と取られてしまう。靖国神社参拝が首相一人の行動であっても それが日本国民全員の意思であるかのように諸外国に思われてしまうように・・・

 

サラリーマンの辛さもそこにあるでしょう。自分の責任でなくても会社のバッチをつけて仕事をする以上、「申し訳ありませんでした」と頭を下げなくてはならない。心の中では「自分のせいではない」と思っていたとしても・・・。

 

佃製作所で、帝国重工に部品供給出来るか否かの、第4話のテスト。そこで、部品供給に反対する真野は 会社を裏切って不良品を納品するという反逆を起こします。その心は、部品供給によって手柄を取るのは、同じ技術部内でも自分たちの部署でない、というやっかみもあるでしょうし、第3話で江原が叫んだように「佃社長は訴訟の和解で入った52億を俺たちの給料に還元してくれていない!俺たちは満足する給料をもらっていない」 という不満もあるのかと思います。

それが会社への反逆となってしまった。しかし帝国重工からすると、それは「佃という会社全体の責任である」と捉えても当然です。

 

ところで昨年頃から、「トリクルダウン」という言葉が流行りました。まず大企業が儲け、その「利益」は「涙が滴るように」中小企業へ落ちていく、というものです。

佃製作所では、この「社内トリクルダウン」が上手く出来ていなかった。佃社長は例え56億が手に入っても、「そうは言ってもまだ明日どうなるか分からない」状況であることから、社員にそれを給与として還元することができないのです。

娘の梨奈に「儲かったんだったら、倒産しそうな友達の会社に1億貸してよ」と言われても、その不安から貸すことをしない。梨奈に「お父さんは自分さえ良ければそれでいいんでしょう!」と言われてしまう訳です。

 

そんな時、今日の朝日新聞をみて知りました。アイルランドでは来年から「特許で上げた企業の所得には、税率をわずか6・25%にする」、ということを。

新聞には先進国の法人税法人税=企業が国に納める税金のこと) は下がる傾向にある、と書いてあります。法人税を下げ、企業に元気になってもらったり、外国企業の誘致を招くことで自国も豊かになる、という流れがあるそうです。

日本の法人税も下がる傾向にあります。しかし、法人税が下がればその分、国の税収は減る訳で、その分の補填は「消費税」となるのは今の日本を見ていて、よくわかります。

 

佃製作所は、仮にアイルランドのように「特許によって利益を得た分は、法人税を低くします」と優遇されたとしても 結局 社員は「消費税」で給与を取られてしまう。

真野や江原や迫田の不満は解消されることはないのです。

だから佃社長に江原があんなにも力のこもった声で

「もらって ね~よっ」

と叫んだ気持ちもわかります。

 

このようにドラマってリアル社会と似ていて面白いですね。

新聞とのメディアミックスで更に楽しませて頂いています。

所で吉川晃司さんですけど、水球部では連帯責任をよく取らされたようです。一人のせいで何度でも同じことをやらされる。そこで彼の「協調性」ができたのでしょうね。

ああ見えて、吉川アニキは協調性があるのです。

では、また